あとのまつり by  野生会議99 

終ってしまったイベント、集まり、企みのご報告ですよー。

「ヘビとトカゲと生の反復」喜山荘一(第6回『トーテムとメタモルフォーゼ』・野生会議99企画つながるゼミナール④)

野国貝塚の約6000年前の層では石器群が検出されている。グリッドの報告しかないから、グリッド内の位置と方位を想像して配置してみると、ここにヘビが見えてくる。C4の顎下の模様、A7からA8にかけた肛板、尾下板の特徴をみると、これはハブだ。 気になるのは…

「ヤドカリ人の抵抗とアマミキヨの出現」喜山荘一(第5回『トーテムとメタモルフォーゼ』・野生会議99企画つながるゼミナール④)

多良間島にはチャーミングな習俗が残されていて、女性が男性に「ヤシガニを捕って」と頼むのは、「愛の告白」を意味していた。ここには、カニ男性と貝女性の合体が暗示されている。これは、ヤドカリ・トーテム段階の習俗で、トーテムがヤドカリになるという…

「カニの切断と浜降りの発生」喜山荘一(第4回『トーテムとメタモルフォーゼ』・野生会議99企画つながるゼミナール④)

前回の三時間を踏まえて、ぐっと絞ったつもりだったが、蓋を開けてみれば同じく三時間を要してしまった。いやはや。 カニ・トーテムの意味は、姉妹兄弟婚の破綻にある。それがなぜ起こったのか。データは粗密があるので、繊細に読み取れないが、ひとつの推定…

つながるゼミナール②谷川ゆに『古層から読む幻想小説』第三回

今回も、二十代の若者三人と、四、五十代の大人三人。計六人での読書会(8月4日)。これがまた、楽しいんだなあ。アニミズム、神とは何か・・・かしこきもの・・山の神、海の神、異類婚姻譚・・。 文学の話に及びながら、テキスト谷川健一『民俗学の愉楽』を…

「苧麻・琉球芭蕉・アダンからサンゴ礁へ」喜山荘一(第3回『トーテムとメタモルフォーゼ』・野生会議99企画つながるゼミナール④)

分かってきたことを次々に詰め込んだ資料は、半日はかかる内容になってしまった。で、霊魂「蝶」の認識の進展という本道だけ通って抜けるつもりが、それでも大量なことに変わりなく、畳みかけるようにおしゃべりを続けて、気づいてみれば三時間。二倍の時間…

プチ山伏体験ツアー 感想  「いつだって生きなおせる」  アサイマイ

話はプチ山伏体験ツアーを知る20年以上昔に遡ります。 子どもの頃、家族旅行で月山を一家で訪れたことがあります。月山山頂付近で山伏を見て以来その姿が脳裏に焼き付いて、ずっと気になっていました。それから山伏になった方の本を読み、ますます興味がわい…

つながるゼミナール  山伏目線で読む宮沢賢治 @ 西荻窪・忘日舎 第2回

賢治が友・保阪嘉内に宛てた幾通もの手紙から抜粋構成された「修羅成仏経」! 賢治の「春」と「修羅」。 どちらもあまりに過剰に溢れ出る賢治という現象。 さて、修羅は成仏できるのか…… 語り手は、崎村遊八(語り物八太夫会)。 初舞台です。(昔、アングラ…

「蝶になる時とイザイホーの原像」喜山荘一(第2回『トーテムとメタモルフォーゼ』・野生会議99企画つながるゼミナール④)

このシリーズで最大のギフトになると思い、相当に意気込んで準備したが、当日(6月22日)のお披露目も力んだ。 時間は足らず、これで二回分でもいいくらいだった。 今回は、具志川島の岩立遺跡西区にフォーカスした。植物トーテムにとどまらず、全トーテム段…

野生会議99 つながるゼミナール② 谷川ゆに・読書会「古層から読む幻想小説」 第2回

2019年6月2日 今日は、前回に引き続き、谷川健一『民俗学の愉楽』(現代書館)を、わたくし谷川ゆにがレポートしながら、みんなから自由にコメントをもらうという形で進めました。 参加者は、20代の若者三人と、私、宮国優子、喜山荘一、という野生古老メン…

野生会議99企画「プチ山伏修行体験」の巻  by 渡部八太夫

一応看板だけ出しておけば、野生会議の格好がつく。どうせ、誰も応募はしないと決め込んでいたのに、申し込んできた物好きが2名いる。困ったものだが、関東に大雨が吹き荒れた二日後のお山は爽やかな山伏日和で、プチとはいえ、ちゃんと胎内をくぐり、あの…

cafe99 序章 マイザ/物語を開く声

ふかふかで、綿菓子のように柔らかい黄色いモヘア。わたしが初めて触れた毛糸は、小さな街の手芸屋さんで、祖母と2人で選んだものだった。夏休みの暑い盛りだというのに、なぜモヘアなのかと今更ながら少し妙だなと思うけれど、もしかしたら、冬糸の売れ残り…